fallows

ゲーム好き。 乙女もBLも一般も色々やります。(積みますが←) 基本主人公大好き。

鏡界の白雪⑤【心条無月】

※ネタバレ苦手な方はご注意下さい。
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心条無月:26「感情を持たない男」

俳優。ゆら先生と幼馴染です。
差し入れを持ってよく大学に顔を出す人。
役作りの名目もあるらしい。おネエ口調なんですけど、違和感のない凄さ。むしろ地声の方が違和感あるという(笑)
鏡界では「感情を持たない」ので比較的、抑揚のない地声で喋ります。

大学でのゆら先生の研究室だったり、図書館で会ったり。主人公のバイト先でバイトしたり、花火大会は一緒に、ではないけれどカッコよく助けに入ってくれたり。
「俳優」の筈なのに気さくで優しくて、なんでもスマートにこなす、ましろちゃんよりも大人で。

……うーん。
私はあんまり、この時点ではときめかない。子供扱いされてる感じと「感情を持たない」と予め予告されているせいなんでしょうか。主人公に対して投げ掛けている言葉すべてに感情はない、と思ってしまうと、見せかけだけに思えてしまって。第三者視点でいると、冷えた目で見てしまう……。

ただそれは鏡の中の彼の方が顕著で。
抑揚のない声に話されるとさーっと血の気が引いていくというか。現実に戻れば確かに無月さんの声には抑揚があって、感情があるようには聞こえるんですけど……。

ゆら先生の部屋で冷房が効きすぎているからと抱き締められたりして、ましろちゃんが顔真っ赤にしているところで、ばったりゆら先生が戻ってきてしまって、口止めしてるのは美味しかったですけど←

ある日、無月さんは主人公を誘い、博物館へ連れていきます。そこで二人で絵本を作ろう、という話に。無月さんが考えた人形と女の子のお話は鏡界の彼を語るようで、「心を分け与えると女の子はどうなってしまうのか」というその先の続きをましろちゃんが「だったら二人で一人になりましょう」と提案したら無月さんは無表情で。そこで鏡界へ。

鏡界の彼は物語の先がどうなるんだと要求してきて、偽物の感情でもいい、「人間になりたい」と。どうも噛みつくことで感情を得ているようで。実際に少しだけ現実の無月さんにも変化があったり。

この後の相合い傘イベントのスチル、とても良かったです!ましろちゃんが傘持って、無月さんが傘持って、抱き寄せて。こんな差分素敵だと思う!←
ただ後のモノローグでしっぺ返し食らうけど……


鏡界での噛みつきを繰り返すことで一つずつ感情を取り戻してはいくのですが、一つずつなので欠落したものは欠落したままで。ある日、無月さんの方から約束した筈の展示会へ行く約束をましろちゃんの前で当然のように破ってしまいます。仕事相手と別の約束を取り付けて。仕事での付き合いもあるからというのもわかるけれど、謝りもしない。「悲しみ」の感情がないから。

ましろちゃんはこの時点では彼を好きなこと自覚していますから、その場はなんとか引いて家では泣いていて。鏡の精が慰めてくれます。本当に労るように声をかけていて、でもましろちゃんが傷つく方向にも持っていってる。

この後に図書館でばったり会って、ましろちゃんは展示会のことで思ったことを伝えて、告白もしますけれど、彼には完璧にフラれます。君に恋愛感情はないと、でも一番の友達よって。

ひどくないですか。

ましろちゃんは表面上だけでも、自分が感じていることを理解して欲しかったんじゃないかなと思うんです。せめて形だけでも。けれど彼の返事は謝罪じゃなく、感謝で、検討外れで、しかも平気でましろちゃんの心を抉ってくる。
感情のことは理解していても、許容できることと出来ないことがある。

だからこの後、鏡界に移ってしまいます。鏡界の彼は涙を拭って、白雪が望むなら俺が傍にいると。女王も「もう眠りなさい」と。

女王がましろちゃんの体を奪い、無月さんと会話するのですが、女王のいう通りだなと本当に思いました。感情がないから無自覚に人を傷付けてる。今までは必要以上に踏み込んでくる人がいなかったからなんとかなってたんじゃないのと思う。
ここで「悲しみ」の感情を手に入れてましろちゃんが居なくなったことを盛大に悲しみ後悔します。
とことん悲しめばいいさ!←

後悔して後悔して、ましろちゃんを探し、取り戻したいと願ってゆら先生に相談したりして「女王」のことを思い出します。
ましろちゃんの方でも無月さんの方でも「気紛れな介入」があり、その助けで二人は再会します。

そこで無月は心中を提案します。(少し前に心中の意味を調べてたよ……)
ましろちゃんは夜女王が眠っている間にしか動けなくて、誕生日までに体を取り戻せないと女王に体を奪われたままになってしまうので、それならいっそ、のことだとは思うんですけどね。

ここで分岐です。

純愛エンドは殺そうとナイフを振り上げたけれど結局できなくて、投げ下ろした先に女王の鏡があって、割れたため体奪取、ハッピーエンドです。
今までのことを挽回するように無月さんはましろちゃんを過保護に、構いまくります。大事にするのはいいことだけれど全部許してしまう、ましろちゃんは許してしまえる程彼が好きだと言うことですよね。

鏡界エンドは、こちらも殺せはしなかったけれど女王に気付かれ、永遠に鏡界の中に囚われることに。
女王に奪われたことの悲しみのせいなのか歪んだ笑みでましろちゃんは迎えられます。彼女を氷付けにして、愛でることで愛を示し、独占欲を満たす彼。彼が触れた部分だけが熱を持つよう。彼の体は氷のように冷たく、手は温かいから、なのかな。


無月さんは、物語としては許容できても恋愛面では許容できない。
現実でも鏡界でも純愛エンドが幸せなエンドなのだけれど。私は鏡界の彼派です。だから、だから……!

無月さんのルートではあまり狂気を感じなかったのですけれど、どちらかと言えば鏡界の彼よりも現実の彼の方が狂ってます。途中までは。

だからもっと手前で女王に奪われたままが良かった……!
鏡界の彼はましろちゃんを噛むことで順番に感情を取り戻していて、最後すごく優しくて。全てましろちゃんの為に動いてくれていて。だから鏡界エンドを素直に受け止め切れない。
それともあれがましろちゃんを送り出した後の彼の本音なのか……そう思えば鏡界エンドでも祝福できるかな。彼にとっては良い結果なのかもしれない……。


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最後の最後の鏡界の彼がいい人過ぎて、現実の彼を好きになれない。挽回するチャンスは必要だと思うけれど、私にはその手前の無自覚さがひどすぎて。
好きな人には申し訳ないけれど、過程が楽しめなさすぎて、エンディングも幸せに思えないです。ましろちゃん程、懐の広い人いないと思う……。

これは物語の良し悪しではなく、好みの問題です。無月さんは「鏡界」がなければ、好きになれたのかもしれない。本末転倒ですけれど。